富山県主催「富山のさかな産地見学会」に参加して、発信することの重要性を再認識しました

先日、富山県が主催する「富山のさかな産地見学会」に参加しました。

私が以前から交流がある方が見学会の運営・企画に関わっていまして、お声がけいただいたのが参加のきっかけです。「ありがたや〜」の気持ちしかない!

「富山のさかな産地見学会」の概要

「富山のさかな産地見学会」は、富山県にある各産地を巡り「食・見・知」について触れることで「富山のさかな」について深く知ってもらい「消費につなげよう」という狙いがあります。

参加者の特徴と目的について

見学会には、私の会社も含めて約30社ほどの企業が参加されていました。東京都やその隣県からお越しの方や、北陸からは富山県のお隣の石川県からお越しの方もいらっしゃいました。

参加者の中には飲食店のオーナー、旅行代理店、ホテル関係者などが多く、数人の方とお話をする機会がありましたが、

  • 富山の魚が良いものだということは認識しているが、やはりそうなると値段が高くなってしまうので、業者さんと直接卸交渉ができる機会としたい
  • 全国各地を取材していて、今回は富山県について取材に来ました

という方もいらっしゃいました。

私は「富山県出身で、東京で北陸の魅力を伝えるメディア運営を行う会社の代表」として参加しました。

2日間に渡って富山の産地を巡る見学会

見学会は、以下のスケジュールで2日間に渡って行われました。

スケジュール

1日目
  • 魚の駅「生地(いくじ)」
  • 寿司正
  • ますのすしミュージアム 工場見学
  • 堀岡養殖場
  • 丸果高岡青果市場
2日目
  • 氷見漁港
  • 氷見魚市場食堂「海寶(かいおう)」
  • 氷見漁港場外市場 ひみ番屋街
  • 柿太水産
  • 新湊かまぼこ
  • 海鮮レストラン「きっときと亭」
  • 新湊漁港
  • 「ととやま」

見学場所となるところは、富山県民なら誰もが知っていると言っても決して言い過ぎではない、古くから親しまれ、歴史のある場所ばかりです。

富山県民ではなくても「ああ、なんとなく名前だけは知ってるな〜」という方も、中にはいらっしゃるかもしれませんね。

こんなところを見学しました

というわけで、見学会の様子を撮影しましたので一部ご紹介します。(写真は全て許可済みです)

ますのすしの工場見学

富山といえば「ますのすし」がわりと有名です。その「ますのすし」ができるまでの一連の流れを見学することができました。ますの切り身に含まれている小さい骨を、一本ずつ手作業で取り除いていることを、この時初めて知りました。細かい作業が入っていたんですね。

堀岡養殖場

サクラマスの養殖の様子です。この養殖場で育ったサクラマスが食材として使われます。ますのすしに使われたり、などですね。

氷見魚市場食堂「海寶(かいおう)」の漁師飯

朝とれ(「朝にとれたばかりの新鮮な」という意味でつかわれる言葉です)の魚を使った、漁師さんが漁に出る前に食べるご飯です。

昼セリ

紅ズワイガニがこんなに整然としている姿を見たことがありますか。

「きっときと市場」の紅白丼

紅ズワイガニとしろえび(しらえび)の紅白が合わさった、おめでたい2色丼をいただきました。

その他、見学会の詳細については北楽(ほくラク)で随時公開します。興味のある方は情報をお受け取りくださいますと嬉しいです。

「富山を知ってもらう」ための大事な取り組み

各見学場所では、産地に関わる企業の担当の方や代表の方がお出迎えくださいまして、製品や提供サービスについての魅力や想いなどを語っていただきました。

その語られた言葉の端々から、今回の見学会はアピールの機会としてかなり重要視されていることが伺えました。(見学会全体を通して、とても良くもてなしていただきました)

多くの企業がやはり意識している(いた)のは、2015年の3月に開業となった北陸新幹線です。北陸新幹線の開業のタイミングで北陸に注目が集まる中で、観光客の誘致のために商品開発を進めたり、イベントを企画したり、サービスの質を高めたり、既存製品のブランド化を目指したりなど、様々な企業努力についても説明いただきました。

アピールすること、企業努力をすること。どちらも「富山を知ってもらうこと」につながる大事な取り組みですね。

「背景」を知ることで見方が変わる

今回の見学会に参加することで、富山県民なら知っていて当然という内容もありましたが「新しい発見」もありました。

その「新しい発見」ってのが、地元に長年住んでいる方でもなかなか知り得ることができない、重要な要素だったりします。

これは一例ですが・・・新鮮で、おいしい富山の魚ですが「なぜ富山の魚が新鮮でおいしいのか」という根本的なところの説明や理解が十分にできている方は大変少ないです。

なぜ富山の魚が新鮮でおいしいのか。その背景を知ることで、魚の取り扱いや見方も変わると言います。知識を深め「富山のさかな」の魅力を最大限に引き出すことによって「食」を通じて人へ「おいしさ」を伝えることができるんじゃないかと感じています。

「方法がわからない」状態が富山に限らずいろんな地域で起こっている

見学会の運営側の方、参加者、産地に関わる企業の方と交流して改めて感じたことがあります。

それは、運営側の方や産地に関わる企業の方は「もっと知ってほしい」と考えているのに対して、消費者側は「もっと知りたい」と考えている、ということです。

見学会を開催して、興味を持つ方が集まっているのだから「そんなの当たり前のことじゃないか」と思うかもしれませんが、この「当たり前のこと」が重要だと感じます。

両者をつなぐ「きっかけ」がもっとあるといい

一見すると「もっと知ってほしい」「もっと知りたい」という2つの思いは「需要と共有の関係がちゃんとそこにあるじゃないか」と感じてしまいそうですが、企業側、消費者側の両者をつなげるハブ的役割となる「きっかけ」が極端に少ないのが実情です。(なので、今回のような見学会の開催については、その大切さがとても理解できます。次回以降の開催を望んでいます)

このような「きっかけ」の少なさは富山だけではなく、いろんな地域にも当てはまるのではないでしょうか。

  • 良い商品があるのに、広める方法がわからない
  • あの商品を使いたいのに仕入れる方法がわからない、企業とつながる方法がわからない

など感じることはありませんか。このような「方法がわからない」っていうことが地方では往々にしてあるんですよね・・・もったいないです。

もっと発信をしてみよう

何が「きっかけ」になって物事が進むのか、読めないこともありますが「発信すること」ってのは基本的かつ重要なことじゃないかと思います。

「もっと知ってほしい」「もっと知りたい」という欲求があるなら、発信すればいいですね。とてもシンプルなことだ・・・

とはいえ、このような「発信についてのあれこれ」なんて話題は、もう様々なところで何度となく語られていますね。ですが、地方でこのような話をすると大変興味を示していただけます。

それくらい、地方と都心部では認識に大きな差があるんだなぁってことがわかります。

取材やります。興味がありましたらご連絡ください

発信の方法って色々あると思いますが、私の会社の場合はWeb制作の技術を利用して「自分の地元や住んでいる地域のメディアを作って発信する」ってのも一つの方法じゃないかと思いました。

そして運営を始めたのが北楽(ほくラク)です。ありがたいことに、現在は富山県在住の信頼できる方にもご協力いただいて、運営しています。(デザインの見直しや機能追加などは少しずつやっています)

もし「うちの会社の製品をアピールしたいな」という企業のご担当や代表の方がいらっしゃいましたら、お問い合わせください。双方で条件が合うようでしたら、現地に行って取材いたします(都内でしたら主に私が取材に行きます)。

この見学会も一つの縁として、今後様々な展開を考えていますので、気が向いたらまた読みに来てください。

著者:bouya Imamura